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執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Soulshock|"Me Against the World"制作時を振り返る。「2パックを説明するのは困難」


Soulshockが"Me Against the World"制作時を振り返る。「2Pacを説明するのは困難」

2Pacの楽曲を手掛けたSoulshock & Karlin


元々はヒップホップのクラブDJとして活動をスタートし、'89年に出場したDJのスキルを競う世界大会「DMC」で第3位に入賞した事がきっかけで、Queen Latifah, Jungle Brothersらのヨーロッパ・ツアーのDJを任されることになったデンマーク出身のSoulshock。

翌'90年に[Soulpower Productions]を設立し、本格的にプロデュース業をスタートさせたSoulshockは、デンマークのジャズ・シーンで名を馳せていたキーボーディストのKarlinと共に、Patti Labelle"All Right Now"、Ce Ce Peniston"I'm in the Mood"などをヒットさせ、'95年に発表したMonica"Before You Walk Out of My Life"で全米R&B/ヒップホップ・ソングス・チャート1位を達成。



Before You Walk Out of My Life

Monica

"Before You Walk Out of My Life"の大ヒットによって、'90年代中期にはトップ・プロデューサーの仲間入りを果たしたSoulshock & Karlin。


元来ヒップホップ好きだったという経緯から、'92年にはQueen Latifah"Fly Girl"を手掛けたという実績がありながらも、当時もっと多くのヒップホップ・アーティストの楽曲を手掛けたいと望んでいたSoulshockは、マネージャーにヒップホップのアーティストがもっと欲しいと何度も頼んでいたとのこと。


そんなSoulshockの熱い思いが伝わってか、あるチームから「3曲分のビートが欲しい」と返答があり、それが2Pacのチームからの依頼でした。

この連絡をマネージャーから受けた時、Soulshockはあまりの衝撃に今何て言った?と聞き返したようで、そして間髪入れずに次のようにマネージャーに伝えたとのこと。

「2Pacのマネージメントに、俺達は白人の2人組だっていうことを伝えて欲しい」

Soulshockが懸念していたことは、2Pacのレコーディング・スタジオが米国でも最も治安の悪いとされている米カリフォルニア州コンプトンにあったことから、デンマーク出身だった彼らはこの地区に出向くことを躊躇っていたようで、結局SoulshockとKarlinはこの時はコンプトンには行かず、その後2Pacから電話で連絡をもらい、この時2PacはSoulshockに対して次のように話したとのこと。

「この野郎、俺はお前が誰かは知ってるんだよ」

2Pacがまだラップ・グループDigital Undergroundのメンバーとして活動していた時、Soulshockは彼らとショーを共にしていた過去があり、2Pacはこのショーを覚えていたようで、この時2PacがSoulshockのターンテーブルをセットしたのだとか。


こんな経緯もあり、2Pacから白人共をフッドに連れて来いと言われ、SoulshockとKarlinは2Pacのスタジオへと出向き、ここから2Pacとの制作がスタートすることに。



「2Pacを説明するのは困難」


Soulshockが「YouKnowIGotSoul.com」のインタビューに語った内容によると、 2Pacはラップをする際に自分を追い込むことが好きだったことから、スタジオは常に満員状態だったようで、また2Pac自身が作詞をすることはもちろんのこと、周りからのエネルギーを吸収する為に、多くの人が2Pacの為に歌詞を書いていたとのこと。


2PacはSoulshockらとスタジオで多くの時間を過ごすようになり、自分が影響を受けてきたことなどを2人に聞かせ、その全てが好きだったと語るSoulshock。


当時の様子を、Soulshockは「YouKnowIGotSoul.com」のインタビューで次のように語っています。

「彼と一緒にいることは凄かったし、彼のような人に出会ったことがなかった。Whitney Houstonは別格だったけど、2Pacを説明するのは困難だ。彼は"Me Against the World"に歌を入れたがり、俺達はPuff Johnsonをフックに入れたんだけど、その2日後に『この曲は俺のアルバム・タイトル曲になるぞ』と電話してきた。デンマークの小さな町から来て、2Pacのレコード・タイトルを持つことは、言葉では説明できないほど感動した」

Me Against the World

2Pac

SoulshockとKarlinが手掛けた"Me Against the World"は、'95年に発表された2Pacのサード・アルバム『Me Against the World』のアルバム・タイトルになり、同アルバムが残した功績は次の通り。


Me Against the World

全米アルバム・チャート

1位


全米R&B/ヒップホップ・アルバム・チャート

1位


第38回グラミー賞「Best Rap Album」

ノミネート


結果的に、SoulshockとKarlinは"Me Against the World"のみならず、"Do For Love"、"I Wonder If Heaven Got a Ghetto"、"Baby Don't Cry (Keep Ya Head Up II)"など、2Pacのキャリアに残る数々の名曲を生み出すことに。


ちなみに、Soulshockの相棒Karlinは、2Pacのスタジオに入った際、スタジオ内のミキシング・ボードの隣に山積みにされていた銃を見て、俺はここから出るぞと言ったようです(笑)


Do For Love feat. Eric Williams

2Pac


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