「Snoh Aalegraは私達のSade」
ファッション誌「VOGUE」のモデルもこなす見事なプロポーションを持つSnoh Aalegraは、スウェーデン出身のシンガー/ソングライター。
これまでにDrake, Prince, John Mayerなどからラブ・コールを受けてきた彼女は、現在所属するJay-Zのレーベル[Roc Nation]から、2021年にアルバム『Temporary Highs in the Violet Skies』を発表。
Tyler, The Creator, James Fauntleroyらが参加したこのアルバムは各所から大絶賛を受ける中、とあるファンが以下のようにツイート。
「Snoh Aalegraは私達のSade」
しかしこのツイートに多くのファンが大反論、大きな物議を醸しました。
「SnohはSnoh。SadeはSade。同じじゃない」
「それはあなたのSadeにして。私達にはすでにSadeがいる」
Snoh Aalegra
Temporary Highs in the Violet Skies
iTunes: https://apple.co/3ipJ84a
「レジェンドを尊重して」
今回のSnoh Aalegraのアルバム『Temporary Highs in the Violet Skies』は、Sadeのような麗しい繊細さを感じますし、Sadeになぞった美学を賞賛する声もあがりましたが、しかし「Snoh Aalegraは私達のSade」の意見に対しては大多数が否定派となりました。
結果的に、このツイートは数千を超えるリツイート数になったそうですが、この議論にSnoh Aalegra本人もツイッターで以下のように反応。
「女王Sade Aduは1人だけ。別の人は決してありません。
この比較は無意味だし、議論の余地もない。
レジェンドを尊重して下さい」
Sade
By Your Side
iTunes: https://apple.co/3mCDjEd
何故アーティスト達は比較を嫌うのか?
個人的には、その人が思ったこと、その人自身が感じたことは、その人にとってはそれが正解なので、個人の思想や言論は自由かなと思いました。
しかし、ファンがこれだけ熱くなった背景を見ても、Sadeというアーティストの偉大さを改めて感じさせる出来事でもありました。
そのアーティストを形容する際(特に新人の場合が多いですが)、「◯◯の再来」「第2の◯◯」などと、過去のレジェンドに例えた表現が使われることはしばしばですが、こういった表現を嫌うのがアーティスト側の常。
アーティストを売り込むレコード会社側などは、そのアーティスト性を分かりやすく第3者に伝えたい為にこういった表現を繰り返してきましたが、アーティストとしては、大きく分けて以下の2つがこういった表現方法を嫌う理由としてあげられると思います。
・他の誰かではなく、オリジナルの存在として評価してほしい
・レジェンドに敬意を払い、比較されることを謙遜する
今回のSnoh Aalegraの場合は後者にあたるかなと思いますが、特に欧州出身のSnoh Aalegraだけに、英国のバンドSadeの偉大さは誰よりも理解していることと思います。
Snoh Aalegra自身、Sadeと比較されることに悪い気はしていないと思いますが、自分のことは差し置いてSadeへのリスペクトを続けるSnoh Aalegraの発言も、また素敵だと思いました。
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