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執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Neneh Cherry|スウェーデン人シンガーが、"Buddy X"でザ・ノトーリアス・B.I.G.と共演できた理由。「彼は◯◯じゃなかった」


"Buddy X"でThe Notorious B.I.G.と共演できた理由とは?


'89年にリリースしたデビュー・アルバム『Raw Like Sushi』が全米アルバム・チャート最高40位を記録し、また'80年代後半〜'90年代にかけて発表した数々の楽曲が、世界規模でヒットしたスウェーデン出身の女性アーティストNeneh Cherry。


そんな彼女の代表曲の1つが、'93年リリースのシングル"Buddy X"。


Buddy X

Neneh Cherry

この曲をプロデュースしたのは、Neneh Cherryの夫であるBooga Bear, 英国の音楽ユニットMassive Attackの楽曲を手がけたJonny Dollor, そしてNeneh Cherryの3人で、甘い言葉で巧みに女性を魅了するものの、実際は酷い態度ばかり取るダメ男にアタックする内容を歌った、コーラス・パートで「Yeah, yeah, yeah, yeah」と繰り返されるフレーズが実に印象的な1曲。


全米シングル・チャート最高43位を記録するなど、米国でも大ヒットしたスウィングR&Bですが、この曲と言えば、なんと言ってもあのThe Notorious B.I.G.がフューチャリングで参加したというのが最大のトピック。

The Notorious B.I.G.が参加したのはアルバム・バージョンではなく、シングルにのみ収録された"Buddy X (Falcon & Fabian Remix)"で、今となってはThe Notorious B.I.G.のラップが聴ける貴重な音源の1つとなったレア・リミックスですが、この音源に関して残る1つの大きな疑問が、「何故、スウェーデン人アーティストが、The Notorious B.I.G.と共演出来たのか?」という点。


まず語弊の無いように、スウェーデンを含む北欧出身のアーティスト、プロデューサー達が、世界を舞台に活躍する実力を持っていることは周知の事実であり、'90年代の音楽シーンをリードしたNeneh CherryとThe Notorious B.I.G.が共演すること自体、何ら驚くべきことでは無いと感じるファンは少なくないと思える一方、生前にThe Notorious B.I.G.が楽曲で共演したR&Bアーティストは、レーベルメイトの112, Total, そしてMary J. Blige, Michael Jackson, R. Kellyくらいだったことから、The Notorious B.I.G.がスウェーデンの白人女性アーティストと共演したのは、やはり異例中の異例。


では、Neneh Cherryは一体どういう経緯でThe Notorious B.I.G.と共演したのか、当時の様子を「Complex」のインタビューにてNeneh Cherryは次のようにコメント。

「私のスウェーデンの友人Alex Strehlが当時[Bad Boy Records]で働いていたんだけど、私が"Buddy X"のリミックスを作ろうとしていることを彼が知り、そしたら『このリミックスをやるのにピッタリな人物を知っているよ。彼が良いと思うからチェックしてみて。これは本当に凄いものになるよ』と言ってきたの。その彼こそBiggie Smallsだった。彼がThe Notorious B.I.G.と名乗る前で、彼はまだ注目されていなくて有名じゃなかったわ。
でもやってみようかなと思って、そしたらBiggieもOKって言ってくれたから、私はCameron("Buddy X"のソングライトを担当した英国出身の白人アーティスト)と一緒に、ボルボのエステートカーに乗ってベッドスタイ(The Notorious B.I.G.の地元)まで彼を迎えに行き、そのままスタジオに向かったわ。当時、彼は玄関先に立っていて、頭からつま先まで迷彩柄の服を着ていて、友達と一緒だった。彼らは、私が英国の白人と一緒に何をしているのか、そして一体何が起こっているのかを不思議がっていたんじゃないかな。Biggieは助手席に座り、ふかしたブラントを吸っていて、この時私達はMassive Attackの新しいデモ曲を流していたの。確か、彼らの2枚目のアルバム『Protection』に収録された曲で、Biggieはそのトラックに合わせて即興でラップをしていたわ。本当に凄かった、いい日だった、素晴らしい日だった。
スタジオにはQ-TipとBusta Rhymesもいたんだけど、Biggieはレコーディングを一発で終わらせた。私達は、彼にバックトラックを渡しただけで、何をどうやるかを指示するつもりは無かったの。彼は、ただやってくれた。私がコラボレーションを好む理由は、「他のアーティストがその曲をどう解釈するか」という部分にエキサイトするからで、誰にリミックスを依頼するのかを考えることが本当に楽しいわ。だから、私は指示することに全く興味が無いの。Biggieが"Buddy X"でライムをした時、みんながスタジオで飛び跳ねていたわ(笑)」

Buddy X (Falcon & Fabian Remix) feat. The Notorious B.I.G.

Neneh Cherry



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