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執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Muni Long|「マニー・ロング」と読むこのアーティスト名に込めた、深い意味。

更新日:10月19日


muni long マニー・ロング

Muni Longというアーティスト名に込めた意味


これまでにRihanna, Mary J. Blige, Mariah Careyらの楽曲を手掛けてきたソングライターとして活躍し、2021年リリースのラブ・ソング"Hrs & Hrs"で大ブレイクしたMuni Long。


Muni Long

Hrs & Hrs

元々は本名のPriscilla Renea名義でアーティスト活動をしていたものの、本名を名乗っていた頃は結果に恵まれず、2020年に現在のアーティスト名であるMuni Longに改名。


「Muni」とはフィリピン語で「深く考える、内側から見る」という意味とのことで、この意味から察するところ、恐らくPriscilla Renea時代の結果を真摯に受け止め、内観を経て辿り着いたであろう自戒の念を感じさせるワード。


発音は「ムニ・ロング」ではなく、お金の「Money (マニー)」と同じ「Muni Long (マニー・ロング)」と読み、実は掛け言葉(ダブル・ミーニング)にしているとのこと。


彼女は「お金は豊かさの象徴」と考えていることから、「Muni」と「Money (マニー)」を掛けた呼び名を考案し、そして自分の名前を思い出す際に「長期にわたる大きな豊かさを連想してほしい」という思いを込めて、ラスト・ネームに「Long」というワードを選んだと、「American Songwriter」の記事にコメント。


ヒップホップの世界では、「お金持ち」を意味する言葉として「Money is Long」「My Money Long」という表現が使われ、しかし傲慢なニュアンスを含んで使われることが多いことから、Muni Long自身もこうしてお金を祝福することは、ある人達にとって『これ見よがし』になるかもしれないと語っており、しかしそういう反応があることも理解した上であえてこのような表現にしたとのこと。


その理由は、世界は本当に自分の思うままに実現するという事を理解し、閃かせる為と、まるで仏の視点から世界を見ているかのような思考領域に到達しているMuni Long。


もしかしたら彼女は、「自分にとってのMuni Long」と「周りにとってのMuni Long」を、2つの違う意味で表現したかったのかもしれないですね。


Priscilla Reneaにとっての「Muni Long」

・長期に渡り内省し、自分を客観視する


ファンにとっての「Muni Long」

・長期に渡る豊かさ(お金)を連想させる



Muni Longが手がけた珠玉のR&B


2歳の頃から歌を歌い始め、歌手としての高い才能に気付いた家族は、結婚式、葬式など、特別なイベントの時に歌わせようとするものの、幼少期は人前で歌うことに抵抗を感じていたというMuni Long。


父親が海軍に勤めていたことから、子供にとっては過度なストレスがかかる「転校」を繰り返し、そんな状況下で正常な感覚を保とうと、転校先では真っ先に演劇部や合唱部に入り、アートの世界に身を置いて心を休めていたとのこと。


学校では孤独な時間が多かったようで、しかし彼女が歌えるということを知った周囲の人達は、お昼休憩の時間に彼女の元へやってきてこっちに来て歌ってとせがまれることもあったそうで、一般的な子供とは異る経験が独特な自己感覚と創造性を育み、結果的にこの青春時代の経験を力に変換したMuni Longは、その後YouTubeの登場をきっかけに自室で歌っている動画を投稿し始めることに。


YouTubeに公開したオリジナル・ソングが徐々に人気を集め、チャンネル登録者数が30,000人にまで増え始めた頃、彼女は[Capitol Records]からオファーを受け、シャイで内気だった少女が21歳でメジャー・レーベルと契約。


この時名乗っていたアーティスト名が本名のPriscilla Reneaで、2009年12月にデビュー・アルバム『Jukebox』をリリース。

Soulshock & Karlin, Lil Ronnieらが制作で参加したこのアルバムは各所から高い評価を得るも、商業的には成功とは程遠い結果で終わり、華やかなデビューになるはずが一転、ここからアーティストとして苦悩の時期が続くことに。


しかし、デビュー・アルバムのリリースから約1年後の2010年10月、全英シングル・チャート1位を記録した英国のシンガーCheryl Coleの"Promise This"のソングライトを担当したことをきっかけに、Priscilla Reneaは他のアーティストに楽曲を提供するソングライターとしての活動も本格的にスタート。


これまでにK. Michelle, Mariah Carey, Mary J. Bligeといった大物R&Bアーティスト達の楽曲を、実に50曲以上コ・ライトし(複数のソングライターやプロデューサーが集まって共同で曲作りをすること)、裏方のソングライターとしてはいきなり大成功。


ここでは、Muni LongがPriscilla Renea名義時代から手がけてきた楽曲の一部を振り返ってみました。

 

K. Michelle

V.S.O.P. (2013)

Debra Laws"Very Special"をサンプリングした、K. Michelleの代表曲の1つ"V.S.O.P."。


Priscilla Reneaの他、Usher"Good Kisser"を手掛けたPop & Oakもソングライトを担当。

 

Fifth Harmony

Worth It feat. Kid Ink (2015)

R&B界のヒットメイカーStargateがプロデュースを担当し、全米シングル・チャート最高12位を記録したFifth Harmonyの代表曲。


Priscilla Reneaがソングライトを担当した楽曲の中でも、最も大きなヒットを記録した楽曲の1つ。

 

Mariah Carey

A No No (2019)

Jeff Lorber Fusionの名曲"Rain Dance"をサンプリングして話題を集めた楽曲。


プロデュースは、Ne-Yo"When You're Mad"を手掛けたRobert "Shea" Taylorが担当。



Fantasia

When I Met You (2017)

2016年にFantasiaがリリースしたアルバム『The Definition Of...』からのシングル曲"When I Met You"。


Priscilla Reneaと共同でソングライトを担当したのは、Ne-Yoのデビュー曲"Stay feat. Peedi Peedi"を手掛けたRon "Neff-U" Feemster。

 

Mary J. Blige

Don't Mind (2011)

2011年リリースのMary J. Bligeのアルバム『My Life II... The Journey Continues (Act 1)』に収録された"Don't Mind"。


Wyclef Jeanの従姉妹として知られるJerry "Wonda" Duplessisがプロデュース。

 

Ariana Grande

fake smile (2019)

2019年にリリースされたAriana Grande通算5枚目のアルバム『thank u, next』からの1曲。


Wu-Tang Clan"Tearz"と同じ、Wendy Rene"After Laughter (Comes Tears)"をサンプリング。

 

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愛する夫へ捧げた"Hrs and Hrs"。そして破局の間際に大ヒットした"Made For Me"。




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