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  • 執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Mariah Carey|ジョーではなく、あのR&Bデュオを起用する予定だった"Thank God I Found You"。


Joeではなく、あのR&Bデュオを起用する予定だったMariah Careyの"Thank God I Found You"

当初あのR&Bデュオを起用する予定だった"Thank God I Found You"


Mariah Careyの通算7枚目のスタジオ・アルバム『Rainbow』に収録された"Thank God I Found You"は、R&BシンガーJoe, ポップス・グループ98 Degreesを迎えた、壮大で美しいメロディが印象的なスロウ・バラード。


Thank God I Found You feat. Joe, 98 Degrees

Mariah Carey

この曲をプロデュースしたのが、Janet Jackson, Boyz Ⅱ Men, New Editionらのヒット曲を手掛けてきたプロデューサー・デュオJam & Lewisで、彼らはアルバム『Rainbow』でMariah Careyの楽曲を初プロデュースし、以下が『Rainbow』に収録されたJam & Lewisのプロデュース曲。


・Can't Take That Away (Mariah's Theme)

・Bliss

・Against All Odds (Take a Look at Me Now)

・Petals

・Rainbow (interlude)

・Thank God I Found You feat. Joe, 98 Degrees


Mariah Careyは、これまでに自身の楽曲のアレンジやプロダクションに関わってきたことから、Jam & Lewisは"Thank God I Found You"の制作に関して私達に何ができますか?と、Mariah Careyの意思を尊重するスタンスで制作に臨んだとのこと。


"Thank God I Found You"の制作でスタジオに入った時点で、Mariah Careyはまだこの曲に関して曲名のアイデアしか持っていなかったようで、その後スタジオ内でJam & Lewisと共に曲を作り上げ、最終的に「人生に必要な相手を見つけた時の感動」を歌ったラブ・ソングとして完成(Mariah Careyは、当時[Sony Music]のCEOであるTommy Mottolaと破局し、新たな恋人としてメキシコ人シンガーのLuis Miguelと交際していた時期で、歌詞の内容は「Luis Miguelに捧げた内容では?」とされていますが、具体的な人物については言及されておらず)


「あなたと出逢えたことを神に感謝します。


あなたがいないと、私は生きてなんかいけないわ。


私の全ての願いと全ての夢が現実になったの」


"Thank God I Found You"のメロディが完成した後、Mariah Careyはこの曲を男性アーティストと一緒に歌いたいと考え、そこでJam & Lewisはある男性R&Bデュオを提案し、それがK-Ci & JoJoだったとのこと。



「この曲を歌わないでスタジオをでるわけにはいかないな」


ご存知、Jodeciのメンバーとして活躍したK-CiとJoJoのHailey兄弟で結成されたK-Ci & JoJoは、'97年にデビュー・アルバム『Love Always』を発表し、'98年リリースのシングル"All My Life"で全米シングル・チャート1位を達成。


Jam & Lewisは、K-Ci & JoJoに"Thank God I Found You"を歌ってもらおうと考えたものの、Mariah CareyとK-Ci & JoJoは所属レーベルが異なっていた為に契約交渉が難航し、K-Ci & JoJoの代役としてMariah Careyと同じ[Sony Music]に所属していたJoeが抜擢されることに。


Mariah Carey

[Columbia Records](Sony Music)


K-Ci & JoJo

[RCA Records](Universal Music)


Joe

[Jive Records](Sony Music)


当時の心境を、Joeは次のようにコメント。

「Careyが俺に電話してきて『あなたとデュエットをしたいんだけど、スタジオに来てくれる?』と言われ、スタジオに行ったら彼女がこの曲を聴かせてくれたんだ。俺はこの曲をレコーディングすることを予期していなかったけど、聴いた瞬間に『この曲を歌わないでスタジオを出るわけにはいかないな』と思ったんだ。シングルになるとは思っていなかったけど、全てが素晴らしかったよ」

その後、Jam & Lewisはこの曲に男性のハーモニーが必要だと考え、'98年リリースのシングル"Because of You"のヒットで知られるポップス・グループ98 Degreesを迎え入れ、Mariah Careyは「MTV」のインタビューで98 Degreesとの共演について次のようにコメント。

「"One Sweet Day"を書いた時みたいな感じだった。グループと一緒に歌う必要があり、男女で交互に強く歌う必要があると感じたの。だから私達は自然と集まったわ」

ちなみに、98 DegreesはK-Ci & JoJoと同じ[Universal Music]に所属しており、K-Ci & JoJoが"Thank God I Found You"で共演NGになった理由は、当時のK-Ci & JoJoがあまりにも大きな成功を成し遂げていたゆえ、[Universal Music]としては自社の活動に専念させたかったのかもしれないですね。

豪華アーティスト達の共演により、見事全米シングル・チャートを制した"Thank God I Found You"は、DJ Clueによるリミックス・バージョンも制作され、Mariah Carey, Joeと同じレーベルメイトであるラッパーNasが参加。


このリミックス・バージョンは、Keith Sweatの名スロウ・ジャム"Make It Last Forever"のリメイクとして大きな話題に。



Thank God I Found You (Make It Last Remix) feat. Joe, Nas

Mariah Carey

余談ですが、"Thank God I Found You"のリリースから約1年が経過した2000年9月に、作曲家のSeth SwirskyとWarryn Campbellの2人が、Mariah Careyや[Columbia Records]などに対し、著作権法違反で提訴。


原告の2人は、R&BグループXscapeの"One of Those Love Songs"を手掛けた人物で、彼らはMariah CareyらがXscapeの曲から"Thank God I Found You"の大部分を借用していると主張。


2006年にこの件は和解されることとなりましたが、ちなみにMariah Carey"Thank God I Found You"とXscape"One of Those Love Songs"は、同じ[Columbia Records]からのリリース曲でした。


One of Those Love Songs

Xscape



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