Blackstreetに歌わせようしたJoeの最高傑作
Joeの代表曲と言えば、"I Wanna Know"や"All the Things (Your Man Won't Do)"といった、タイムレスな王道のスロウ・バラード。
しかし、Joeのシグネチャー・サウンドとも言えるこれらの名スロウ・バラードですら成し得なかった、全米シングル・チャート1位という快挙を唯一達成した曲が、2001年リリースの"Stutter"。
Stutter
Joe
iTunes: https://apple.co/3GsDpWN
「Stutter」とは、「す、す、すみません」といった具合に言葉が滑らかに発音出来ず、吃って(どもって)しまう「吃音 (きつおん)」を意味し、Joeが歌う"Stutter"の内容は、浮気を隠している彼女に「嘘ついてるだろ、だってお前が返事する時はいつも吃ってるんだよ」と詰め寄る拷問ソング。
Joeのサード・アルバム『My Name Is Joe』に収録されたこの"Stutter"は、Teddy RileyとRoy "Royalty" Hamiltonがプロデュースを担当し、2Pac"Changes"のコーラスを担当したR&BグループTalentのメンバーEarnest Dixonがソングライターとして参加。
「Stereogum」の記事によると、吃音を使用するという発想はEarnest Dixsonがドライブ中に思いついたアイデアだったようで、その後Roy "Royalty" HamiltonとEarnest Dixsonの2人が"Stutter"のデモ音源を作り、これをTeddy Rileyに提案。
Teddy Rileyは、当初この曲をBlackstreetに歌わせようと考えたものの、当時Blackstreetはアルバム制作を行なっていなかった為に断念し、Roy "Royalty" Hamiltonは"Stutter"の歌い手を探すことに。
その後、Roy "Royalty" Hamiltonは[Jive Records]の創始者Clive Calderに"Stutter"をプレゼンした結果、同レーベルに所属していたJoeが歌うことになったというのが大まかな経緯。
ちなみに、全米シングル・チャート1位を達成したのはオリジナル・バージョンではなく、ラッパーMystikalが参加したリミックス・バージョンで、吃音を多用したのもこのリミックス・バージョン。
Stutter (Double Take Remix) feat. Mystikal
Joe
iTunes: https://apple.co/3GsDpWN
「T-T-T-Talk to me, tell me where you were? (Late last night)
は、は、は、話せよ、お前どこにいたんだよ? (昨日の夜)
Y-Y-Y-You told me, "With your friends, hangin' out" (Late last night)
お、お、お、お前言ったよな、"友達と遊んでるって" (昨日の夜)
Y-Y-Y-You're lying 'cause you're stuttering」
お、お、お、お前嘘ついてるな、だってお前は吃ってるんだよ」
吃音を意味する「Stutter」という曲名の通り、浮気の疑いがある彼女に対して、Joeが吃音を巧みに使って挑発的に歌う様が実に印象的。
このリミックス・バージョンのMVでは、Joeの彼女をラッパーのMystikalが尾行し、浮気現場を目撃した後に車で追い込みをかけるという内容ですが、実は浮気をしていたのは双子の姉妹だったというオチ。
そんなJoe唯一の全米シングル・チャート1位を達成した"Sutter (Double Take Remix) feat. Mystikal"は、ヒップホップ・ユニットThe Pharcydeの"Passin' Me By"をサンプリングした内容でも話題となりました。
Passin' Me by
The Pharcyde
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