杏里"Last Summer Whisper"をサンプリングした"Baby Powder"
「明確な定義はない」とされていますが、洋楽の都会的で洗練された雰囲気を模範して作られた「シティ・ポップ」は、'70年代〜'80年代にかけて日本国内で流行したポピュラー・ミュージック。
シティ・ポップが日本で生まれてから30年以上が経過した2000年代以降、海外の音楽ファン達を中心にシティ・ポップの再ブームが巻き起こりましたが、そんな流れを象徴する1曲"Baby Powder"の登場。
'82年に日本人シンガー杏里がリリースした"Last Night Whisper"のトラックをサンプリングした、シティ・ポップの遺伝子が継承された極上のメロウR&B。
角松敏生がプロデュースした"Last Night Whisper"は、数あるシティ・ポップの名曲の中でも特に人気の高い1曲ですね。
Baby Powder
Jenevieve
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このJenevieveって一体何者?
米フロリダ州マイアミ出身、現在は米カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とする女性シンガーJenevieve。
スペイン、キューバ、フランスの血筋を持つバレエ・ダンサーの母親と、アイルランド、バハマの血筋を持つ父の間に生まれたJenevieveは、幼少期に嗜んでいたダンスをきっかけに音楽の世界にのめり込みんだとのこと。
母と父のルーツを重んじ、多様な文化と音楽に触れて育ったというJenevieveですが、音楽的にはMichael Jackson, Aaliyah, Whitney Houston, PrinceといったR&B/ソウルのレジェンド達から強い影響を受けたようで、憧れたレジェンド達が全盛だった'80年〜'90年の時代にチューニングしたかのようなレトロなサウンドが、Jenevieveの特徴。
そんな彼女のイメージを決定付けたと言っても過言ではない今回の"Baby Powder"ですが、この曲に込めた想いを「The FADER」の記事に次のように語っています。
「この"Baby Powder"は、私の初恋と失恋がどのようなものだったかを少し味見したようなもの。
典型的な酷い経験ね。
私は特別な誰かを見つけたと思った、そして私は彼にぞっこんだった。
彼は秘密を隠していたけど、私は何も隠し事をしていなかった。
でも、男って自分がした酷いことは棚に上げて、私のことを責め始める。
そう、それが"Baby Powder"の内容よ」
"Baby Powder"を発表した時点ではまだ無名のアーティストだったものの、2020年3月に公開されたMVは瞬く間に1,000万回再生を突破し、この1曲で一気に注目を集めることとなったJenevieve。
そして、日本人シンガー杏里の名曲"Last Night Whisper"をサンプリングしたことにより、日本の幅広いリスナーにもその名をアピールすることに成功しました。
ちなみに、"Baby Powder"の発表から2年後の2022年4月に、ラッパー2 Chainzを迎えたバージョンも発表されています。
Baby Powder feat. 2 Chainz
Jenevieve
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