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  • 執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Jam & Lewis|トップ・プロデューサーの2人が選ぶ「最も高い評価を受けるべきシンガー」は一体誰?


「最も高い評価を受けるべきシンガー」は一体誰?


Janet Jackson, Mariah Carey, Usher, Boyz Ⅱ Menなどなど、超大物アーティスト達のヒット曲を次々と量産した、Jimmy JamとTerry Lewisによるプロデューサー・デュオJam & Lewis。


そんなトップ・プロデューサーの2人が、「Vulture」のインタビューにて最も高い評価を受けるべきシンガーは誰?という質問を受け、それぞれが1人ずつ印象に残ったシンガーを選出。


まずはJimmy Jam。

「頭に思い浮かぶのはChante Mooreです。私は彼女と一緒に働くことが好きでした。彼女は総合技術的に素晴らしいボーカリストです。ただ、彼女と一緒に作りたかったレコードを作ることが出来ませんでした。彼女のアルバムが1つの作品としてどうあるべきかを分かっていましたが、実際にそれを行うチャンスがありませんでした。1曲や2曲を一緒にやりましたが、アルバム全体に影響を与える機会がなかったので、もし過去と実際が違っていたら、それは楽しかったと思います」

Jam & Lewisが、Chante Mooreの楽曲を1つの作品内で最も多くプロデュースしたアルバムが、'99年リリースのサード・アルバム『This Moment Is Mine』で、全14曲中計6曲のプロデュースを担当し、以下がその楽曲。


・Chante's Got a Man

・Love and the Woman

・I Cry to Myself

・Easy

・I Started Crying

・This Moment is Mine


Janet Jacksonのように、Jam & LewisがChate Mooreのアルバムを丸ごと手がけることは実現しなかったものの、『This Moment Is Mine』は全米アルバム・チャート最高31位し、これはChante Mooreが残した全アルバムの中で最高位となる記録で、また同アルバムからのシングル曲"Chante's Got a Man"が記録した全米シングル・チャート最高10位という結果も、Chante Mooreが残した全シングルの中で最高位と、Jam & Lewisの手厚いサポートを受けた『This Moment Is Mine』は、Chante Mooreの最高傑作と呼べそうですね。


This Moment is Mine

Chante Moore



「Deborah Coxはチャンピオンシップ・シンガーです」


次にTerry Lewisは、Chante Mooreと同じく'90年代にデビューしたあの女性R&Bシンガーを選出。

「私が思い浮かべるのはDeborah Coxでしょう。彼女はたくさんの成功をおさめた並外れたアーティストでした。彼女は素晴らしい才能の持ち主でしたが、彼女が正当な評価を得ていたとは思いません。城には女王が1人しかいなくて、それがWhitney Houstonでした」

Terry Lewisのこの発言に対して、Jimmy Jamが続けて言及。

「その通り、私はいつもJames Hardenのことを考えます。彼がOklahoma City Thunderでプレイしていた時、彼はチームで6番目の男でした。この後にHouston Rocketsに移籍したJames Hardenは、チームの主役になりました。もしDeborah Coxが、Whitney Houstonをはじめ、Aretha Franklin, Dionne Warwickらが在籍していた[Arista Records]ではなく別のレコード会社に所属していたら、彼女は6番目のシンガーではなくメイン・シンガーになっていただろうといつも考えます。彼女はチャンピオンシップ・シンガーですが、基本的にチームの6番目のシンガーでした」

後に、3シーズン連続でNBAの得点王にもなるほどのスーパースターJames Hardenながら、彼がデビュー時に所属していたOklahoma City Thunderには、当時Kevin Durant, そしてRussell Westbrookという2人のスーパースターが君臨していた為に、その才能が埋もれてしまっていたという例をDeborah Coxに重ね合わせたJimmy Jam。


Jam & LewisがDeborah Coxを初めてプロデュースしたのは、Deborah Coxが[Arista Records]を去った後、新天地[J Records]から発表した通算3枚目のスタジオ・アルバム『The Morning After』


この作品は全米アルバム・チャート最高38位を記録し、Chante Mooreと同様、Jam & Lewisが初めて接点を持ったこの作品が、Deborah Coxの全アルバムの中で最高位という結果。


The Morning After

Deborah Cox



「スタジオで最も仕事が速かったシンガーは誰?」


続けてJam & Lewisは、スタジオで最も仕事が速かったシンガーは誰?という質問に対し、あの2人のシンガーを選出。

「それはPatti Austinだと思います。彼女は最も完成度の高いシンガーで、アルバム『Gettin' Away With Murder』の内、3曲の制作を私達が担当し、この3曲の為に1日1曲のペースで3日間を割り当てました。彼女がレコーディングにやってきた初日、この時点ではまだ曲も聴いていないのに、最初の曲の全てのボーカルをすぐに録り終え、次の曲を渡してそれも直ぐに終わらせてしまいました。彼女は私達が歌詞を書くよりもはやく仕事を終え、リード・ボーカルも、バック・ボーカルも、彼女の全てが凄かったです。"The Heat of Heat"は、全ての作業を2時間で終えたと思いますし、実際はそれ以上に短かったかもしれません。彼女がQuincy Jonesの秘密兵器であることを学びました」

The Heat of Heat

Patti Austin

そしてPatti Austinの他に、もう1人あまりの仕事の速さに驚いたシンガーがいたそうで、それがあのBobby Brownだったとのこと。


Jam & LewisがBobby Brownのソロ曲を手がけたことは無いものの(元々『Bobby Ⅱ』というアルバム名でリリース予定だったBobby Brownのアルバム『Forever』に、Jam & Lewisがプロデューサーとして参加予定だったとか)、Bobby Brownが在籍していたNew Editionの楽曲を度々手がけてきたJam & Lewis。


そんなNew Editionのアルバム『Home Again』のレコーディング時のエピソードを、Jimmy Jamは次のように回想。

「Bobby Brownは本当に良かったです。彼はスタジオに10分だけいて、直ぐにボーカルを録り終えました。彼をスタジオに連れてくるには2〜3日かかりましたが、スタジオに着いたら彼は周りを釘付けにしました」

Home Again

New Edition

実際、Bobby Brownのスタジオ・ワークは驚異的な速さだったようで、その理由をJimmy Jamは彼は常にストリップ・クラブに行く意欲があった為に、仕事が速かったとコメント。


そしてJam & Lewisの2人は、あのレジェンドについても言及。

「Michael Jacksonを外すことは出来ません。彼は1テイクか2テイクのシンガーでした」


Ralph Tresvantとの仕事で困ったこと


New Edition時代にJam & Lewisと接点を持ち、ソロ・デビューした後も"Sensitivity"、"Do What I Gotta Do"などのヒット曲を提供されるなど、グループ時代も、そしてソロ時代もJam & Lewisのサポートによって大成功したRalph Tresvant。


Sensitivity

Ralph Tresvant

New Editionを成功に導いたといっても過言ではない、あの甘い美声は稀代のヒットメイカーJam & Lewisをも魅了したほどだったものの、Jimmy Jamが「The Boombox」の記事に語った内容によると、Ralph Tresvantのある能力が彼らを困らせたとのこと。

「Ralphは、これまでに仕事をしてきた中で最もお気に入りの1人です。彼の才能は素晴らしいです。そして彼は信じられないほどのスタミナを持っているから、何時間でもスタジオにいることが出来ます。だから、彼をスタジオから追い出さなくてはいけません」

Ralph Tresvantは、その超人的なスタミナのおかげで数多くの仕事をこなしていたとのことで、Ralph Tresvantのソロ・アルバムの制作は本当に楽しかったですと振り返ったJimmy Jam。


そんなJam & Lewisが制作に携わったRalph Tresvantのソロ・デビュー・アルバムは、全米アルバム・チャート最高17位を記録し、シングルカットされた4曲の内3曲はJam & Leiwsによるプロデュース曲でした。


・Sensitivity

・Do What I Gotta Do

・Rated R


Ralph Tresvant

Ralph Tresvant



Usherの楽曲の中で一番のお気に入りは?


Jam & Lewisはこれまでの40年以上にわたるキャリアの中で、全米シングル・チャートを制した楽曲16曲も生み出しており、その中の1曲がUsherのサード・アルバム『8701』に収録された"U Remid Me"。


U Remind Me

Usher

この曲以外にも、Jam & LewisはこれまでにUsherの楽曲を幾度となく手がけており、Jam & LewisがUsherに提供した楽曲は次の通り。


・I Swear I'm in Love

・U Remind Me

・Twork It Out

・Can U Help Me

・How Do I Say

・Truth Hurts

・Bad Girl

・Simple Things

・That's What It's Made For

・Seduction

・Monster

・Mars vs. Venus

・Lingerie

・Pro Lover

・Numb

・Sins of My Father

・Euphoria


「Vulture」の記事でJimmy Jamが語った内容によると、彼らはこの中で"Can U Help Me"が一番のお気に入りとのこと。


Can U Help Me

Usher

"U Remind Me"と同じく、アルバム『8701』に収録された"Can U Help Me"は、Usherのアルバムの総合プロデュースを行なっていたL.A. Reidが、Jam & Lewisに対して「Force M.D.'sの"Tender Love"に似た曲が欲しい」という具体的なオーダーを出して完成した楽曲。


この曲が、Jam & LewisがUsherに提供した楽曲の中で、これまで最もお気に入りの1曲だったものの、しかしこの"Can U Help Me"以上の曲が出来たと、Jimmy Jamは続けてコメント。

「私たちのお気に入りは、アルバム『Jam & Lewis, Volume One』の中にあるかもしれません。Usherと作った"Do It Yourself"は、今のところその頂点に位置する曲です」

Do It Yourself

Jam & Lewis & Usher

Jam & Lewis初のアーティスト・アルバムとして、Usher, Mariah Carey, Mary J. Blige, Boyz Ⅱ Menといった超豪華アーティスト達を迎えて発表された『Jam & Lewis, Volume One』


このアルバムに収録されたUsher参加の"Do It Yourself"こそ、Usherに提供した楽曲の中で最もお気に入りの1曲と答えたJimmy Jam。


また、Terry Lewisは同じく「Vulture」の記事で次のようにコメント。

「Usherと一緒に頂点にまで辿り着いたかは分かりません。私たちが学べば学ぶほど、また彼が学べば学ぶほど、より危険な調合になります」

Jam & Lewis, Volume One

Jam & Lewis



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