「R&Bのキングは俺だ」
2018年、自身のインスタグラムに「R&Bのキングは俺だ」と発言し、非難の的となってしまったJacquees。
この発言に対して、J. HolidayやTrey Songzら著名アーティスト達が大反発しましたが、当の本人は「これほど多くの人が反応するとは思わなかった」と語りつつも、その上で反対派意見をものともせずに「R&Bのキングは俺」と繰り返しました。
そんなJacqueesの「R&Bキング」発言の議論の場に加わったのが、R&BレジェンドのKeith SweatとTankの2人。
2人のレジェンドに挟まれたJacqueesはかなり分が悪い状況、のように見えましたが、この状況下でもJacqueesは「R&Bキング」の主張を続けました。
Who's The Real King Of R&B?
Jacquees, Big Tigger, Keith Sweat & Tank Backstage
Tankが放った深すぎる発言に感激
これは、2018年の年末に行われた米ジョージア州アトランタに構えるラジオ局「V-103」主催の音楽フェス「V-103 WINTER FEST」にて、バックステージで行われたインタビュー中に起こった出来事(この音楽フェスにはTrey Songz, H.E.R., Jeremih, Tory Lanez, dvsn, Sevyn Streeter, そしてJacqueesが参加し、Keith Sweatは出演していなかった模様)。
まずKeith Sweatが以下のようにコメント。
「カメラマンが俺の目の前でカメラを向けて『R&Bのキングは誰?』と聞いてきたけど、その議論に俺は巻き込まないでくれ」
このカメラマンの問いに対して、たまたまその近くにいたJacqueesが「キング」と言う言葉にのみ反応して、「R&Bのキングは俺だ、16歳〜25歳のキングは俺だ」とKeith Sweatに向かって発言。
「Okayplayer」のインタビューによると、Jacqueesは発言した相手がKeith Sweatだと全く気が付かなかったとのことで、インタビュー中にもKeith Sweatに謝罪し、Keith Sweatも「そうそう、君は謝る必要がある」と笑いながら答えています。
その後、Keith SweatはJacqueesに「責めるべきはカメラマンだ」と言い、Jacqueesも「カメラマンを叩かなくちゃ」と続け、「俺は誰も叩かないぞ。それは裁判沙汰になるし、俺の為に刑務所に行く必要はない」とKeith Sweatが笑いながら話し、その場にいた全員が事の経緯を理解しました。
そして、TankがJacqueesの「R&Bキング」に対する、あまりにも深い持論を発言。
「Jacqueesの発言によって、世界中がR&Bに関心を示した。
R&Bがどんな音楽なのかを知りたがっているから、R&Bを聴かせるには最高に良い時だ」
Tank自身も同じR&Bパフォーマーとして、Jacqueesの発言にムッとした気持ちもどこかで湧いてきたかもしれませんが、誰がキングとか言った個人レベルの小さな主観で捉えるのではなく、Jacqueesの発言をどこまでもポジティブに捉えてしまうTankのコメント。
Tankの深い発言、そしてTankの懐の深さに感激しました。
うーん、カッコよすぎるぞ、Tank。
ちなみに、JacqueesとTankは、コメディアンとしても大活躍するLil Duvalのシングル"Nasty"で共演しています。
Lil Duval, Tank, Jacquees
Nasty
iTunes: https://apple.co/3A5tZg8
「R&Bキング」に対するKeith Sweatの深すぎた答え
Jacqueesの「R&Bキング」発言に対して、続けて大ベテランのKeith Sweatも深い持論を展開。
「全てのアーティストがR&Bのキングだ。良い音楽、魂に響く音楽全てだよ。
ただ、Marvin Gaye, Luther Vandross, Teddy Pendergrassが、自分で『俺がR&Bキングだ』と言っているのを聞いたことがない」
このKeith Sweatの発言に、すかさずJacqueesが反論。
「彼らにはインターネットがなかった。だから全く別のゲームだよ」
Jacqueesのこの発言に対して、Keith Sweatは「もうこれ以上言うことはない、俺は口を閉じておくよ」と笑いながら敗北宣言。
テーマがテーマだっただけに、ピリついた空気になるかと思いきや、終始笑いの絶えない爆笑インタビューとなりました。
Jacquees自身も、Keith Sweat, Tankの存在をリスペクトしつつも、「Keithは当時のR&Bキング、俺は今の世代のR&Bキング」と、レジェンド達を前にしても自身の主張を貫く鋼の精神は、もはや「生意気」とかいったレベルではなく、「頼もしさ」を感じてしまうほど。
Keith SweatにしてもTankにしても、Jacqueesからのリスペクトを感じ、また彼らもJacqueesの才能を認めているからこそ、終始和やかなムードになったのでしょうね。
今回の一連の騒動に関して、各々で感じ方は様々かと思いますが、Keith Sweat, そしてTankの素晴らしい考え方を垣間見ることができたのは、個人的には思わぬサプライズでした。
しかし、Tankの言うように、Jacqueesが今回の「R&Bキング」発言を意図的に起こし、R&Bシーン全体のことを考えた言動だったとしたら、Jacquees恐るべし。
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