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執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Faith Evans|「金が欲しけりゃ俺の◯◯◯を◯◯◯れ」ヒップホップ東西抗争に巻き込まれ、2パックに利用されたフェイス・エヴァンス。


faith evans 2pac

Biggieとの関係に亀裂が入った後に、LAで2Pacと出会ったFaith Evans


'94年8月、ブラック・ミュージック界のビッグ・カップルThe Notorious B.I.G.とFaith Evansが結婚。


当初の2人は順調な結婚生活を送っていたものの、The Notorious B.I.G.の度重なる浮気が原因で、1年後の'95年には夫The Notorious B.I.G.への愛情も消えかかっていたFaith Evans。


そんなThe Notorious B.I.G.とFaith Evansの夫婦関係に亀裂が入り始めたこの時期に、米国音楽史最悪の事件とも呼ばれた「ヒップホップ東西抗争」が勃発。


ことのきっかけは、'95年8月に米ニューヨークで行われた「The Source Awards」にて、米西海岸のロサンゼルスに本拠地を置くレーベル[Death Row Records]の創設者Suge Knightが、米東海岸のニューヨークに本拠地を置く[Bad Boy Records]の創設者Sean Combsを批判した発言が引き金となり、米国のヒップホップ・シーンは西海岸と東海岸で完全に分裂。

この出来事がきっかけで、ヒップホップ・シーンは常に緊張状態が続くという事態に陥っていった中、Faith Evansは夫The Notorious B.I.G.の浮気詮索に疲れ果て、夫婦の距離を置いて仕事量を減らしていったとのこと。


そんな矢先、Faith Evansに楽曲提供の依頼が舞い込み、彼女は'95年10月にロサンゼルスへと出向き、楽曲を提供するアーティストと遊びに行ったクラブである人物に出会ったとのこと。


それが、あの2Pac。


2人が出会ったのはこの時が初めてで、Faith Evansの楽曲を気に入っていた2PacはいつかコラボレーションしようとFaith Evansに共演の打診をし、意気投合した2人はその場で連絡先を交換。


しかし、このやりとりがヒップホップ東西抗争を激化させてしまうことに。



「金が欲しけりゃ俺のアソコをしゃぶれ」


Faith Evansと出会ってから程なくして、2PacはFaith Evansにある曲のフックを25,000ドル(当時のレートで約200万円)で歌ってほしいとオファー。


仕事を減らしている時期だっただけに、一部周囲からは反対意見があったものの、良い仕事だと考えたFaith Evansは2Pacからのオファーを受けてスタジオへ出向くも、直ぐにある違和感を覚えたと、Amazon Prime Videoのドキュメンタリー「Hopelessy In Love」にてFaith Evansはコメント。

「フックだけだからすぐ終わるはずだった。でもスタジオには人が大勢集まっていた。最初に顔が分かったのはKurupt。Suge Knightもいた。その状況になって突然気づいたの。ここは[Death Row Records]のスタジオだとね」

Faith Evansが2Pacからフックを依頼された楽曲は、2Pacのアルバム『All Eyez On Me』に収録された"Wonda Why They Call U Bitch"で、曲名の意味は「お前がビッチと呼ばれる理由」


この曲を[Death Row Records]のスタジオで歌うのは、Faith Evansにとっては当然気まずく、来たのが間違えだとさえ思えたとFaith Evansは当時を振り返り、直ぐに報酬をもらって帰ろうと思ったもののスタジオには小切手が用意されておらず、2Pacが滞在しているホテルに届けられるということでFaith Evansも同行。


ロビーで待っていると伝えるも、2Pacから部屋に来るようにと促され、部屋では仲間達がくつろいでいる中、2Pacは俺はニューヨークにハメられたと騒ぎ始め、部屋にいることに身の危険を感じたFaith Evansは、小切手をもらって帰ろうとしたら2Pacがこう言ってきたとのこと。

「金が欲しければ俺のアソコをしゃぶれ」


2Pacに利用されたFaith Evans


Suge Knightがヒップホップ東西抗争の引き金となる発言をしたのが、'95年8月に開催された「The Source Awards」で、この約1年前の'94年11月にニューヨークを訪れていた2Pac。


友人のThe Notorious B.I.G.やSean Combsらがいるスタジオに入ろうとした際、2Pacは5発の銃弾を受けて重傷を負うという事件に巻き込まれ、被害者である2Pacは名指しでThe Notorious B.I.G.らが黒幕だと非難し、この後に2PacはSuge Knightの支援を受けて[Death Row Records]と契約。

そしてヒップホップ東西抗争が勃発し、ロサンゼルスの[Death Row Records]に所属する2Pacと、ニューヨークの[Bad Boy Records]に所属するThe Notorious B.I.G.は、完全に敵対する関係に。


Faith Evansは、夫The Notorious B.I.G.が2Pacから非難を受けているということを耳にはしていたようで、そんな経緯もあったゆえ、2Pacから受けた仕事を許諾する前に、この話をThe Notorious B.I.G.に相談するも、特に止められなかったことから、結果的にFaith Evansは2Pacからの依頼を受けることに。


しかし、初めから2PacはFaith Evansとまともにコラボレーションなどする気などなく、自分を瀕死の状態に陥れたThe Notorious B.I.G.への報復のために妻であるFaith Evansを利用し、復讐の為に手段を選ばない[Death Row Records]の餌食となってしまったFaith Evans。

2Pacは根拠のないFaith Evansの悪評を流し、それらのデマ情報を「The New York Times」といった権威あるメディアも連日報じたことによって、ヒップホップ東西抗争は更に激化。


何気ないオファーからヒップホップ東西抗争に巻き込まれてしまったFaith Evansでしたが、彼女がフックを歌った2Pac"Wonda Why They Call U Bitch"は、後に別の女性シンガーに置き換えられることに。


ちなみに、Faith Evansは"Wonda Why The Call U Bitch"の報酬25,000ドルを受け取ることはなかったとのこと。


2Pac

Wonda Why They Call U Bitch




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