「最初にレコーディングをした時、セカンド・バースは入れなかった」
'70年代ソウルをベースに、ヒップホップやジャズの要素を取り入れた「ネオ・ソウル」を世に広めた立役者D'Angelo。
そんな彼の不動の代表曲と言えば、マリファナを「ブラウン・シュガー」という褐色女性に擬人化して歌った"Brown Sugar"ですが、この歴史的大ヒット曲を上回る結果を当時のチャートで記録したのが、"Brown Sugar"と同じD'Angeloのデビュー・アルバムに収録された"Lady"。
Brown Sugar
全米シングル・チャート
最高27位
全米R&Bシングル・チャート
最高5位
'95年ビルボード年間シングル・チャート
86位
Lady
全米シングル・チャート
最高10位
全米R&Bシングル・チャート
最高2位
'96年ビルボード年間シングル・チャート
70位
Lady
D'Angelo
iTunes: https://apple.co/3pjL7OR
これまでにDrake, The Game, Waleといった人気ラッパー達もサンプリングしてきた、このD'AngeloのNo.1ヒット・ソングを使用した楽曲、その名も"Curious"を発表したのが、Chris Brown, Usherらの楽曲を手掛けてきたシンガー/ソングライターEric Bellinger。
オフィシャルMV公開から程なくして100万回再生を突破するなど、既にEric Bellingerの代表曲の1つになりつつある楽曲ですが、この曲をレコーディングした際、Eric Bellingerはセカンド・バースを録らなかったそうで、その理由を次のようにコメント。
「最初にこの曲をレコーディングした時、セカンド・バースを入れなかったんだ。この曲はシングルになると信じてたからね。リリースすることになったら、他の誰かがセカンド・バースを仕上げるだろうと思っていたんだ。そしてFabolousとCordaeがそれをやってくれた。時々、俺はファンやサポーター、またその曲自体から『俺自身への更なる期待』のようなものを感じるんだ。俺の視点、俺が独自に書くことで表現する解釈、それをもっと詳しく説明する必要があるんだ。自分のトラックは主導権を俺自身が握っているから、曲をより深く解説するセカンド・バースを書くか、全く異なる視点で訴えるかもしれないし、あるいは何か違うことをやるかもしれない。ただ、それは常にその瞬間に起きるもので、自分のパートを終えるべきか、それとも待つべきか、自分の物語を十分に表現したかどうかを感じ取る瞬間なんだ」
Curious feat. Fabolous
Eric Bellinger, Cordae
iTunes: https://apple.co/3plutya
今回の"Curious"は、プロデューサーHitmakaとの連名で2023年に発表したアルバム『1(800)HIT-EAZY: Line 2』に収録された楽曲で、このアルバムは彼らが2021年に発表した『1-800-HIT-EAZY』の続編にあたる作品。
アルバム名に組み込まれた数字「1-800」は、米国のフリーダイヤルの番号を指しており(日本でいう「0120」)、「俺達は、知人から楽曲制作の依頼を常に受けている。だからこのプロジェクトは『1-800-HIT-EAZY』と呼ぶに相応しいね」と、「制作依頼を受けて気軽にヒット曲を作ってしまう」という意味を込めたとのことで、このアルバムに収録された楽曲は、1曲あたり約10分程度で作り上げたとのこと。
"Curious"に参加したCordae, Fabolous以外にも、Kalan.FrFr, Blxst, Tink, Muni Longといった人気アーティスト達がアルバムを盛り上げています。
1(800)HIT-EAZY: Line 2
Eric Bellinger, Hitmaka
iTunes: https://apple.co/3plutya