近代R&Bの超傑作『Bussin'』
自身のスタイルを"Dream(夢)"、"Surrealism(超現実主義)"、"Nostalgia(懐旧)"の3つのインスピレーションを組み合わせた"Dream Soul"と呼び、'90年代の香りを残した美しく幻想的なサウンドが特徴。
ミュージシャンとして活動していた両親の影響で、幼少の多感な時期から音楽に触れ合い、見る見るうちにその才能を開花させたDevin Morrisonのデビュー・アルバム『Bussin'』が登場。
米フロリダ州のシンガー/ソングライターのDevin Morrisonですが、地元フロリダでは「Bussin'」とは「デリシャス」といった意味合いを持つそうで、スウィートなR&Bを目指して作られたとのこと。
アルバムの冒頭に収録された、Devin Morrisonらしいロマンティックなテイストの"It's Time"に参加するDah'Viは、『No Use Runnin』という作品を'90年代に残したDevin Morrisonの実父のDavid Morrison。ギターリストだった実父Dah'Viを迎え、親子の共演曲でアルバムが幕開けるという美しい展開。
It's Time feat. Dah'Vi
Devin Morrison
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また、「自分よりも歌が上手い」というDevin Morrisonの実兄が、"Fairytale feat. Lakks Mable"のバック・コーラスで参加しているそうです。
日系人R&Bシンガーとして日本にも多くのファンを持つJoyce Wriceを迎えた"With You"、第59回グラミー賞「Best Urban Contemporary Album」にデビュー・アルバム『We Are King』がノミネートされたWe are KINGを迎えた"The Call (407)"、ギャングスタ・ラップの大御所Daz Dillingerが参加する"The Struggle iz Real"など、豪華ゲスト勢がアルバムを大いに盛り上げています。
他にも、ニュー・ジャック・スウィングのテイストを盛り込んだ"Be Aiight"、ネオ・ソウル風のジャジー・トラック"No"、'90年代の時代感を楽しめる"Birthday"など、Devin Morrisonによるソロ曲もドラマティックな完成度。
リリース前からSNSを騒つかせていた前評判通り、近代R&Bの超傑作と呼べる堂々のデビュー・アルバムとなったのではないでしょうか。
Bussin'
Devin Morrison
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Devin Morrisonの音楽ルーツは日本のTVゲーム?
自身が影響を受けたアーティストに、シンガー/コンポーザー/キーボーディストの横倉裕、"春咲小紅"などのヒットで知られる矢野顕子など、複数の日本人アーティストを挙げているDevin Morrisonは、日本のカルチャーに多大な影響を受けたそうですが、特に影響を受けたのが日本のTVゲーム。
学生時代はTVゲームに没頭していた時期があったそうで、Devin Morrisonが特に夢中になったのがSEGAから発売された「Jet Set Radio」というゲーム。
架空の東京を舞台とし、ローラースケートを履いたプレイヤーを操作して街中にグラフティ・アートを描いていくという内容で、このゲームのサウンドトラックはダンス・ミュージックをベースとしたリズミカルな楽曲を主体とした内容でした。
「Jet Set Radio」がきっかけで、Devin Morrisonは「東京に行きたい、これが俺のなりたい場所だ」と東京に憧れを抱くようになり、大学時代はTVゲーム用の音楽を作ることが目標だったそうです。
ジャズ、ゴスペル、R&Bと、様々な音楽の影響を受けたというDevin Morrisonですが、元を辿ると「Jet Set Radio」がDevin Morrisonの音楽ルーツの1つになるのかもしれませんね。
「Jet Set Radio」のサウンドトラックも発売されており、現在iTMSで聴くことが出来ます。
Jet Set Radio SEGA Original Tracks
Various Artists
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Devin Morrisonは日本の松戸で『Bussin'』を制作し始めていた
日本のTVゲーム、日本の音楽に影響を受けたDevin Morrisonは、米アラバマ州ハンツビルにあるオークウッド大学で作曲とレコーディングの学士号を取得し、大学卒業後の2017年にDevin Morrisonにとって夢舞台だった日本に移住。
しかし、日本在住生活はバラ色とはいかず、当初は英会話スクール「NOVA」で英語教師をしたり、コールセンターで働いていたりと、音楽制作とはかけ離れていた仕事をし「自分のやりたいことじゃなかった」と、当時の苦難を語っています。
その後、Devin Morrisonは音楽制作を日本で本格的にスタートさせたのですが、当時のルームメイトが部屋で音楽制作をすることに不満を抱き、Devin Morrisonは千葉県松戸市に移住し、後の2019年に発表されることとなる『Bussin'』の制作をスタートさせたとのことです。
結局、ビザの関係で日本在住時に『Bussin'』は完成しなかったようですが、帰国した際に地元の米フロリダ州オーランドには戻らず、現在の拠点である米カリフォルニア州ロサンゼルスに引っ越し、Joyce Wrice, We are KING, Daz Dillingerらを迎えたデビュー・アルバム『Bussin'』を完成させたという経緯。
『Bussin'』からは"No"のMVが公開され、地元オーランドに本拠地を構えるNBAオーランド・マジックの元スター選手Anfernee "Penny" Hardawayのユニフォームを着用。
ちなみに、バスケットボール・ファンだというDevin Morrisonは、日本の大ヒット・バスケットボール漫画「SLAM DUNK」に大きな影響を受けたということで、「SLAM DUNK」の登場人物である彩子をテーマにした、その名も"AYAKO"という楽曲も発表しています。
No
Devin Morrison
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