
The Neptunesとレコーディングを済ませていたBrandy
新しいミレニアムを迎えた2000年代初頭、、当時のR&BシーンはAaliyah"Try Again"、Sisqo"Thong Song"のような、従来のスタイルを一新した「ゲーム・チェンジャー」な楽曲がチャートを席巻し、2002年にBrandyが発表した"What About Us?"も、その革新的なサウンドで大きな話題を集めた1曲。
What About Us?
Brandy
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近未来の到来を予感させたこの斬新なサウンドを手掛けたのは、Michael Jackson『Invincible』の制作を筆頭に、Toni Braxton, Tyrese, Jennifer Lopezらの楽曲を手掛け、2000年当時に最も勢いのあったプロデューサーRodney Jerkins。
全米シングル・チャート最高7位、また2002年のビルボード年間シングル・チャートでも65位を記録した"What About Us?"は、Brandyのサード・アルバム『Full Moon』に収録され、同アルバムのメイン・プロデュースもRodney Jerkinsが担当。
BrandyとRodney Jerkinsは、前作にあたるセカンド・アルバム『Never Say Never』からの付き合いで、『Full Moon』で両者は本格的にタッグを組むことに。
Roney Jerkinsは、『Full Moon』に収録された全16曲中11曲のプロデュースを担当し、Rodney Jerkins以外にこのアルバムに参加した主要プロデューサーは以下のメンバー。
・LaShawn Daniels
・Mike City
・Big Bert
・Keith Crouch
・Kamillion
・Fred Jerkins Ⅲ
・Warryn Campbell
そして、Brandyは『Full Moon』用の収録曲候補として、このリストには載っていない「あるプロデューサー」とレコーディングを行っており、それがPharrell WilliamsとChad Hugoによるプロデューサー・デュオのThe Neptunesだったとのこと。
しかし、結果的にはThe Neptunesと制作した楽曲は『Full Moon』に採用されず、Brandyはその理由を「VIBE」の記事にて次のようにコメント。
「The Neptunesと仕事をしたけど、アルバムのコンセプトに全くフィットしなかった。当時の私のやり方は、1人のプロデューサーがアルバム全体の基礎を作るという方法で、The Neptunesはそのタイプのプロダクション・ユニットだったと思うわ。でも、当時の自分とアルバムの方向性がフィットしないと感じた。だけど、The Neptunesと一緒にアルバム全体を作りたいと思っていたわ」
Full Moon
Brandy
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ちなみに、BrandyはThe Neptunes以外のプロデューサーともレコーディングをしていたとされ、それがBabyfaceやSoulshock & Karlinだったという話で、しかし彼らと制作したであろう楽曲もアルバムには収録されず。
そして、Brandyは『Full Moon』のコンセプトを次のようにコメント。
「恋に落ち、そして混乱を経験し、本当に一緒にいたい人を見つけた。これらは私が経験した素晴らしい経験で、それらが私の音楽に反映されていることを嬉しく思う」
Brandyの言う混乱とは、『Never Say Never』の成功で多忙を極めた結果、体調を崩したことが原因で約3年間活動を休止したことを指しており、この経験がきっかけで「自分がやりたいこと、嫌いなこと、自分自身の変えたいことを見つける機会を得た」とのこと。
Brandyが恋に落ちたという相手は、『Full Moon』収録曲"When You Touch Me"を手がけたプロデューサーBig Bertのことを指しており、この時BrandyはBig Bertの子供を妊娠し、『Full Moon』のリリースから約3ヶ月後の2002年6月に娘Sy'Raiを出産。
結果的にBrandyはBig Bertと結婚はせずにシングル・マザーとしての道を選び、娘Sy'Raiは2020年にシンガーとしてデビュー。