Michael Jacksonが歌いたがった"Joy"
Teddy Riley率いるR&BグループBlackstreetが'95年に発表した"Joy"は、Blackstreetのデビュー・アルバムから5曲目にシングル・リリースされた楽曲で、全米シングル・チャート最高43位、全米R&Bシングル・チャートは最高12位を記録。
Joy
Blackstreet
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「君が僕の人生に歩み入ったあの日を忘れない。太陽の光のように、君の甘い愛が僕を照らしてくれる。君が僕に喜びをもたらしてくれたんだ」と、大切な人と出会った時の気持ちを「Joy(喜び)」と表現した楽曲で、この歌詞はTeddy Rileyの実娘Deja Rileyに捧げたものであり、またMVに登場する幼女こそDeja Riley本人。
プロデュースはTeddy Rileyが、ソングライトはTeddy Rileyのシングル"Is It Good To You"のボーカリストでお馴染みの女性シンガー/ソングライターTammy Lucas, そしてあのMichael Jacksonが担当。
Is It Good To You feat. Tammy Lucas
Teddy Riley
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この"Joy"は、元々はMichael Jacksonの'91年作『Dangerous』への収録を目指して、Michael JacksonとTeddy Rileyが製作した楽曲。
『Dangerous』といえば、それまでMichael Jacksonの功績を支えてきたプロデューサーQuincy Jonesの力添えが無くても、一流のアーティストであることを証明する為に彼の元を離れ、当時のブラック・ミュージック・シーンを席巻していた「ニュー・ジャック・スウィング」を生み出した、まだ20代前半という若かりし頃のTeddy Rileyとタッグを組み、全世界で累計3,200万枚以上のセールスを記録した歴史的名盤。
Dangerous
Michael Jackson
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Michael Jacksonは、『Dangerous』用に70曲近い楽曲をレコーディングしたとされており、恐らくその中の1曲だったであろう"Joy"。
Teddy Rileyはこの曲を製作した時の様子を、「Hip Hop Wired」のインタビューにて次のようにコメント。
「"Joy"はBlackstreetのデビュー・アルバムに収録したけど、MichaelがBlackstreetのために提供してくれたんた。収益の一部が彼の財団に行こうと、何に使われようと構わなかったけど、ただこの曲を完成させたかったんだ。なぜなら、この"Joy"はMichaelのシングルとしてリリースされなかったし、俺達のお気に入りの1つだったからね。Michaelと"Joy"を一緒に作ったとき、彼は胸に手を当ててこう言ったんだ。『Teddy, これは僕の曲?』ってね。俺は『Michael, もし欲しいならこれは君の曲だよ』と伝えた。そしたらMichaelは『"Joy"が曲が欲しい。僕の人生に必要だ』と言い、その場にいた数人が彼のこの発言を聞いていたよ」
結果的に、Michael Jacksonの曲としてリリースされることはなかったものの、Michael Jacksonが製作に携わった楽曲だけに、息を呑むような美しいメロディが多くのファンを虜にした"Joy"。
そしてTeddy Rileyは、Michael Jacksonがこだわっていたという作曲手法に関して、過去のインタビューで次のようにコメント。
「Michaelは僕にソングライティングの美しさを教えてくれたんだ。『Teddy, 昔の人はコンピューターを持っていなかっただろ?バックトラックから作る音楽はダメなんだよ。昔はピアノかギターの伴奏で曲を製作していたよね。それをデモ・テープに録音する。それが重要なんだ』ってね」
Blackstreet
Blackstreet
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ちなみに、Teddy RileyはMichael Jacksonが歌った"Joy"のマスター・バージョンを今でも保有していることを公言しており、また出どころが定かでないゆえに真贋は不明ながら、Michael Jacksonが歌ったとされる"Joy"のデモ・バージョンもネット上にリークされています。