Babyfaceを起用したかった112
後にメンバー全員がソロ・アルバムをリリースすることになる、Slim, Michael Keith, Q Parker, Daron Jonesの4人で結成された112(結成当初はForteというグループ名の5人編成で、Aldon Lagonはアルバム・リリース前に脱退)。
彼らはSean "Puffy" Combsのオーディションをパスし、彼のレーベル[Bad Boy Records]と契約した後の'96年にデビュー・アルバムをリリース。
112
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112のデビュー・シングルは、当時の流行であるヒップホップ・ソウルを取り入れたThe Notorious B.I.G.参加の"Only You"で、しかし112のメンバーはR&Bを歌うクルーナー(バラードなどを優しく歌う歌手)として周知されたかったことから、"Only You"のコンセプトに反対しており、そういった経緯も踏まえると、デビュー・アルバムから3曲目のシングルとしてリリースされた"Cupid"は、112にとって念願だったであろうオーソドックスなスロウ・バラード。
実は112のメンバーは、デビュー・アルバムにBabyfaceを起用したかったらしく、メンバーのQ Parkerは「Rolling Stone」のインタビューにて当時の様子を次のようにコメント。
「俺達が活動を始めたばかりの頃は、大きな予算が無かった。当時、Babyfaceは最も売れっ子のプロデューサー/ソングライターで、俺達のデビュー・アルバムの予算では、彼を雇う余裕が無かった」
そこで彼らは、Babyfaceを起用できない代わりに「Babyfaceらしさ」を取り入れることに精力を注ぎ、そして完成した楽曲が"Cupid"だったとのこと。
この曲の歌詞は、112のメンバーの実体験がベースになっており、彼らが17歳の時に書いたもの。
「キューピッドは嘘をつかない。
でも、まずは試してみないと分からないね。
ベイビー、真実の愛は嘘をつかない。
でも、2人で試してみるまでは分からないから、本物の愛か試してみよう」
結果的に"Cupid"は全米シングル・チャート最高13位を記録し(Sean "Puffy" Combsのアイデアを取り入れた"Only You"と同位)、しかも"Only You"が50万枚以上を売り上げてゴールド・ディスクを達成した一方、"Cupid"は100万枚以上を売り上げプラチナ・ディスクを獲得する快挙を達成し、Q Parkerは「"Cupid"は大成功だった。バレンタインデー、結婚式、コンサートでプロポーズする時の定番曲になった」とコメント。
Cupid
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